ものづくり日本大賞受賞者

　橋梁の多くは、高度経済成長期に建設され老朽化が進行している。劣化の主な要因は腐食であり、定期的な塗り替えが不可欠となる。
　基礎研究から塗装欠陥部において鋼より溶け出したＳｎイオンを直ちに再原子化して鋼材表面で極めて薄いＳｎ層を形成させて鋼の溶出を抑制することを発見し、鋼中に０.１～０.５％の極微量のＳｎ添加で高耐食性を発揮する塗装周期延長鋼ＣＯＲＳＰＡＣＥ®の開発に至った。塗装欠陥部に対し、鋼材から高耐食化を図ることで塗装の塗替期間の長期化を達成した。本鋼材の活用は、社会インフラのライフサイクルコスト縮減以外にも、塗装塗替回数の削減によって塗装時に放出される環境負荷の高い揮発性有機物質を低減させることができる。