内閣総理大臣賞
- ガラスより軟らかく、安全で、強度も高いアクリル。同社はこのアクリル素材を使った製品の製造・加工で高い技術力を誇る。02年にオープンした、沖縄美ら海水族館の巨大水槽「黒潮の海」の窓には、同社が製作した高さ8.2m、幅22.5m、厚さ60㎝のアクリルパネルが設置された。パネルを積層して厚みを出す接着技術、接着剤の硬化時に強度を増す熱処理技術、そして1枚20tのパネルを7枚、現場で接着し水槽の躯体に接合する施工技術。同社独創のノウハウがいかんなく発揮され、一本の柱もなく7500tの水圧に耐える巨大な窓が完成した。この製品は1枚のアクリルパネルとして、また水族館の窓として、世界最大であることが、ギネスブックによって認定されている。
私は今、中東のドバイで大型展示水槽の施工をやっています。これはショッピングモール内の施設のひとつなのですが、この種の展示水槽としては世界一大きいものです。しかし、うちは大きさだけにこだわっているわけじゃありません。お客さんそれぞれの「個性を打ち出したい」という要望に応えることが私らの役目で、大きさというのもあくまで要望のひとつなんですよ。
では、私たち自身のこだわりは何かといえば、あくまで安全で、高品質なものを提供することなんです。
ものづくり日本大賞を受賞して以来、テレビや新聞、雑誌などの取材も増えて、うちの会社のことがたくさんの人の目に留まるようになりました。同じように、日本のあちこちで「我が町の小さな会社にも、素晴らしい技術がある」ことを地元の人々が知り、誇りに思われたなら、それもこの賞の大きな意義ではないでしょうか。また、社内でも会社の認知度や存在感が高まったことで、社員にこれまで以上に自覚や誇りが生まれてきたように思います。自分たちが下手な仕事をすれば、地元や業界にも迷惑がかかる。しっかりしなければいかん、と。だからこそ、改めてこれからも「安全」と「高品質」を大切にしたものづくりをしていかなければと思うのです。
受賞者(代表) | 中條 利史(代表) |
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