第1回受賞者

内閣総理大臣賞

知能ロボットによる長時間連続機械加工システム
同社が開発した「ロボットセル」は、最新の知能ロボット技術を駆使して、従来人手に頼っていた、機械加工素材の加工台への取り付け、加工後の洗浄、加工台からの取り外しといった作業をロボットに置き換えたシステム。 知能ロボットには、人間の目に当たる「ビジョンセンサー」と、手の役割をする「サーボハンド」を採用、多種多様な素材を正確に加工台に装着することを、初めて可能にした。 このシステムを使えば、素材を自動倉庫に置いておくだけで工作機械にセットされ、加工が完了する。保守・点検要員がひとりいるだけで長時間連続運転が可能で、従来システムに比べ大幅なコストダウンを実現した。

ファナック(株)生産技術センタ所長 山口賢治さん

受賞者の声

受賞後、普段なら当社の記事がほとんど載ることはない一般紙などに紹介され、「ファナックが何をやっている会社なのか」を広く知っていただけたのは、とても嬉しいことでした。産業用ロボットを始めとする我々の製品は、幅広い製造の現場でなくてはならない役割を果たしているのですが、表に出ることはめったにない“縁の下の力持ち”。

そこに光を当て、評価していただいたことには感謝していますし、受賞は全社員の大きな励みにもなりました。「ロボットセル」の開発には、受賞した4名のほかにも、実に多くの人々がかかわっています。そういう社員たちもみんな記念メダルを手にしたりして、喜びをかみしめたんですよ。

第1回の受賞案件を見ると、個人から大企業まで、実に様々な規模や分野の方たちが名を連ねていて、我々から見ても「こんなことができるのか」と、刺激を受けるようなアイデアや技術ばかり。日本には、まだまだ「当社にしかない」というものづくりの力が、山のようにあるのではないでしょうか。そうした素晴らしい仕事が認知されることは、技術系離れが進んでいる若い世代に、ものづくりの面白さ、重要性を理解してもらううえでも、とても意味のあることだと思っています。

受賞者(代表) 山口 賢治(代表)、山梨 光司、伴 一訓、小田 勝
所属企業等
●ファナック(株)
https://www.fanuc.co.jp/
1972年設立。74年、産業用ロボットを開発して自社に導入。84年には富士山麓に本社を移転した。産業用ロボットのほか、CNC(コンピュータ数値制御)シリーズ、サーボモーター、電動射出成形機などを主力製品としている。
【山梨県忍野村】

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